今回レビューするものはベース用マルチエフェクターとなるZOOM B1 FOURです。
主な仕様として
電源:DC9Vセンターマイナス 500mA、単三乾電池4本
重量:340g
サイズ:W130mm x D156mm x H42mm
デジタルエフェクター
となっています。
公式サイト
使用してみた感想としましては、決して100点満点の音というわけではありませんが、実用に耐えうるレベルのものという印象を受けました。やはり実機と比べるとロー感など惜しい部分はありますがセッティング次第では良いレベルまで作り込むことができます。予め用意されているプリセットでもベースを弾くことの楽しさを感じる音作りとなっています。
チープな見た目に反して、B1 FOURが持つポテンシャルは高いです。
マルチエフェクターということでどうしても甘く見られてしまいますがこのサイズ、軽さでこれほどまでの実機の再現度まで辿り着いたのは革命では無いでしょうか。
こだわりぬいたペダルで組んだ大きくて重いエフェクターボードを運搬して、ライブ前に疲弊してしまい良い演奏が出来なかったなんてことになってしまったら元も子もないでしょう。
これを聞くと妥協案としてB1 FOURを選んだように思えますがそうではありません。こだわった結果としてこれを選んでもらいたいです。デジタルの恩恵として実機には無い機能が追加されていて調整がしやすくノイズレスで、コンパクトエフェクターを並べるよりも電源、断線リスクも少ないからです。
もちろんベースを始めたばかりの方の1台目、初めてのエフェクターにもおすすめできます。
他のZOOMのマルチエフェクターと比べてはしまいますがZOOM MS-60Bだとエフェクトのオンオフや切り替えなどがワンテンポ遅れてしか出来ませんでした。しかし今回、フットスイッチが2つになったことによりその操作性は向上しています。操作性という観点からみるとZOOM B3nには劣っているものの、そこまで多くを瞬時に切り替える必要のないベーシストの場合は不満は出ないと思います。
説明書を軽く流し読みして5分ほどで一通りの操作は可能になります。他のマルチエフェクターを触ったことがある方でしたら初見でも使いこなせると思います。
マルチエフェクターはよく直感的に操作できないといわれますが、B1 FOURに関してはそこまで複雑ではないでしょう。ただノブを回すだけのアナログエフェクターに比べれば手順は一つか二つは増えますが、ある程度慣れてしまえば思いのまま操作出来るでしょう。
モデリングされているエフェクトリストを見てもTECH21 SansAmp BASS DRIVER DIやMXR M80 Bass D.I.+、Darkglass Electronics MICROTUBES B7Kといった人気のプリアンプのモデリングが入っていて、他にも定番と呼べるエフェクターのモデリングは一通り入っています。
Darkglass Electronics MICROTUBES B7Kの音を使いたいと思っても実機は高く、マルチエフェクターのモデリングで安く済ませようとしても2万円前後のZOOM B3nを手に入れるしかありませんでした。
しかしながら、B1 FOURなら約8000円で済んでしまいます。B3nを選んだ理由がDARKGLASS B7Kのモデリングが入っているからという方も少なくないのではないでしょうか。
コンパクトなMS-60Bと新しいエフェクトリストのB3n、B1onの安さと軽い筐体といったものの良いところ取りをしたZOOMの集大成と言えるのではないでしょうか。
同時使用エフェクト数が5個というのもベースで使う場合には十分ではないでしょうか。
最終段にEQが置かれていてMEMORY、STOMPモードの場合にパラメーターノブを動かすとアウトプットEQをいじることができます。
低音域のレベル、中音域のレベル、高音域のレベル、全体のレベルを変化させることが可能なので同時使用エフェクト数は実質6個と言えるかもしれません。このアウトプットEQが使いやすくなかなか良いのでフラットなままにしている方は活用してみてください。
リズムと30秒まで録音可能なルーパーも練習と表現の幅を広げてくれます。
チューナーに関しましては、起動条件の左右のフットスイッチを同時押しが個人的には難しく、暗いライブハウスで足元が見辛かったり、ライブのために新しくおろした慣れない靴を履いている場合はご注意ください。
他にもこだわりポイントとしてなんとIRを使用したキャビネットモデルが数種類あり、その再現度には驚かされます。より生々しく、ベーシストの求めるサウンドへ近づいています。
筐体の質感はZOOM MS-60BやZOOM B3nに比べて安っぽい印象を受けます。よりプラスチック感が増したという感じでしょうか。耐久度は使い込んでみないと何とも言えませんが見るからに脆そうな筐体のZOOM B1onでさえ踏み壊したケースを見たことがないので心配ないかもしれません。
その筐体のおかげなのかZOOM MS-60Bより軽くなっています。MS-60Bが350gに対しB1 FOURは340gとなっています。
そして何よりの魅力は、このサイズではないでしょうか。
横幅と縦幅に関しましては、よくあるコンパクトエフェクターより大きくなっていますが、高さが42mmとエフェクターとは思えない薄さをしています。ZOOMがデジタルエフェクターはここまでコンパクトに出来るほど進化したと訴えかけてきている気がします。
これにより、ギグバッグや鞄に入れた際のシルエットの崩れや部分的な圧迫を緩和し、故障リスクの軽減や持ち運びやすさを実現しました。
このサイズと8000円を切る価格でDARKGLASS B7KとB3Kのモデリング、その他定番エフェクトが使えるZOOM B1 FOUR、お買い得です。
後になりましたが、コントロール等の説明です。
フロントパネルについては上の画像のようになっており上からディスプレイ、モード切り替えキー、パラメーターノブ、リズムキー、エフェクト/バンクキー、セッティングキー、ルーパーキー、▼/▲キー、▼/▲フットスイッチとなっています。
見た目の高級感はないものの、貧弱なパーツらしさは感じられなく長く使えそうです。フットスイッチも嫌な軋みを感じず、立ったまま足で踏んでもスムーズに切り替え出来そうです。
リアパネルについては上の画像のようになっており左から入力端子、AUX IN端子、ACアダプター端子、USB端子、出力端子となっています。
ヘッドホン端子があり、アンプで音を鳴らさない環境でもヘッドホンやイヤホンを差し込んで練習を出来るのは地味にありがたい機能です。
また、電源ボタンのようなものはなくUSB端子からの電源供給、またはACアダプターを使用する場合はUSB端子からの電源供給/ACアダプターを接続するとONになり、接続解除するとOFFになります。
単三乾電池を使用する場合は、電池を入れた状態で入力端子にシールドを挿すとONになり、入力端子からシールド抜くとOFFになります。
また、設定のPWR/LCDにてECOをONにすると10時間ほど操作をしないと自動的に電源が切れます。ECOは工場出荷時にデフォルトでONになっていますのでご安心ください。
B1 FOURの兄弟機としてB1X FOURモデルがあるのですが重量にかなりの差があり、B1 FOURは340gに対しB1X FOURはエクスプレッションペダルを搭載しているため610gもありますのでそれらを考慮して用途に合わせてお選びください。
B1 FOURはできる限りコンパクトで軽く、複数種類幅広く使えるオールインワンなペダルが欲しいという場合や、他エフェクターと一緒に組み込みあまり多用しないエフェクトを使用したいという方におすすめです。
よりオールマイティーに使えるマルチエフェクターとしての使用を想定していたり、エクスプレッションペダルを使ってエフェクトのかかり方を変化させたいときはB1X FOURをおすすめします。
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パソコンが必要となりますがGuitar Labで配布されるエフェクトを追加することも可能です。エフェクト数は現状では少なく、よく使われるであろうモデリングしかありませんが今後のアップデートでの追加も期待できます。
唯一感じたデメリットですが、ACアダプター差込口が深く、ACアダプターのプラグが公式推奨のZOOM AD-16のようなストレートタイプでないと入らない可能性があるということです。
OYAIDE DC-3398のような回りが角ばっているDCケーブルでさえ差し込むことができ通電しましたのでほとんどのDCケーブルでも大丈夫な気はしていますがご注意ください。
また、もはやACアダプターの定番と化したCUSTOM AUDIO JAPAN PB12DC9-2.1でも通電しましたがほんの僅かに抜けやすい、差し込み加減がわかりにくいといった少し不安な印象を受けました。
そのため、単三乾電池かプラグがストレートタイプのACアダプター(純正のZOOM AD-16がおすすめです)、USBで動かすのがいいのではないでしょうか。
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ACアダプター使用時の警告として専用アダプターであるZOOM AD-16以外の使用は火災や感電の原因となり大変危険とありますので他ACアダプターを使用する場合はあくまで自己責任でお願いします。
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