あさぎベーススタジオ

もはやベース用エフェクターの備忘録

【レビュー】NeotenicSound DynaForce

今回レビューするものはベース用プリアンプとなるNeotenicSound Dyna Force(ダイナフォース)です。

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主な仕様として

コントロール:Level・Punch・Body・Wood・Edge・Density

電源:DC9Vセンターマイナス

消費電流:100mA

重量:400g

サイズ:W140mm x D100mm x H55mm

となっています。


公式サイト

EFFECTORNICS ENGINEERING OFFICIAL WEB SITE INDEX


使用してみた感想としましては、もうこれ無しではいられないというほどの性能を持ったペダルだと感じました。

D.I.に入る前にボード内で音作りを完結させることがコンセプトになっており、現場にいわゆる定番アンプが無いベーシストには必須品なのではないでしょうか。

エフェクターのプリアンプというよりは、アンプヘッドのプリアンプを抜き出した独立型プリアンプと表現した方が正しいみたいです。

 

日々の練習でサウンドが何か物足りないなと感じたらDynaForceをかけていなかったということが度々起きていて、それほどまでにダイナフォースが自分の基本のサウンドに根付いてしまっています。

エフェクターボードの最後尾に常にかけっぱなしで置いておきたいペダルで、全ベーシストが使えばいいのにと感じるほどです。

 

いわゆる音質補正系のエフェクターになっていますが、これを通すことで圧倒的に音が聞き取りやすくなることで、抜群に弾きやすくなります。

それぞれのベースが持つ個性をいかしながらも音を前に出すことができます。

 

DynaForceは同社のMagicalForceの上位互換、上位機種となっておりますがその代わりサイズが大きくなり、価格も高くなっています。

もちろんマジカルフォースもおすすめできるペダルですが、買う前にこちらも試す価値は十分にあると思います。

 

このモデルはプリアンプ回路にチューナーとミュートスイッチが搭載されたモデルになっています。

つまりオンオフ切り替えはできず、DynaForceを常にかけっぱなしで使用する必要があります。

他にはエフェクトループのオンオフがついたモデルも出ています。

 

コントロールのLevel、Punch、Edge、Densityは同社のMagical Forceと恐らく同機能となっています。

ですが、中央2つのコントロール、BodyとWoodは新開発のDivariusCircuit(ディヴァリウス回路)と呼んでいるセクションとなっています。

 

他の機能はすでにMagicalForceのレビューで説明しているため、ここではBodyとWoodを取り上げていきます。

 

Bodyは左に回しきった状態から時計回りに上げていくことで、その効果を付与させていきます。

音の重心にフォーカスを合わせており、音圧や低音とは別で楽器自体の存在感を調整することができます。

ベースらしさのあるサウンドを残しつつも、音が散ってしまうのを防ぐつまみになっています。

ベースは大きく共振するとよく響く代わりに音が散ってしまい、存在感がなくなります。

その改善のためにローカットをしてしまうと重心が高くなってしまいます。

また、ハイを上げて輪郭を強調しようとしてもバンドアンサンブルの中では不自然になってしまいます。

そうした悩みを解決するのがこのコントロールで、バランスを崩すことなく、存在感を出してくれます。

なんというか、もやつくようなものではない自然なローミッド、ロー感を得ることができます。

 

Woodは12時でフラットとなり、いわゆるブースト/カットが可能です。

芯の定位にフォーカスを合わせており、木の鳴りをコントロールするつまみとなっています。

このつまみを上げることで木の鳴りを前に押し出して耳元にしっかりと届くサウンドになり、反対に下げてあげれば質感を抑えることができます。

説明を聞いてもよく分からないコントロールになっているので、ぜひ触って確かめてみてください。

 

EQを凄く上手に扱える方はもしかしたら同じような効果を他のものでも再現できるのかもしれません。

ですが、このペダルはそのような知識が無くても簡単にベーシストが欲しい音作りできてしまいます。

価格はエフェクターとしては高い部類ですが、その金額を出す価値はあると思います。

直感的な音作りが可能になるこのペダルは、ベーシストが望むベース用プリアンプの終着点かもしれません。

 

MagicalForce(マジカルフォース)はエフェクターなので楽器の補正用として、DynaForce(ダイナフォース)はもはやアンプとして音作りをするといいみたいです。

そのためMagicalForceは過度に音作りを求めてしまうとコシが砕けて大味になり、また歪みやすくなるのでフラットの状態から不足分を補うように使ってください。

ここがMagicalForceとDynaForceの棲み分けになりそうです。

サイズと価格だけでMagicalForceを選ぼうとしている方はお気をつけください。

 

ベーシストだけではなく、ギタリストにもおすすめできるペダルとなっています。

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