あさぎベーススタジオ

もはやベース用エフェクターの備忘録

【レビュー】BECOS CompIQ STELLA Pro Compressor

今回レビューするものはギター、ベース用コンプレッサーとなるBECOS CompIQ STELLA Pro Compressorです。

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主な仕様として

コントロール:RATIO・KNEE(H/S)THRESHOLD・SCF(N/LD)ATTACK・GAIN・EQ PIVOT(H/L)TILT-EQ・TIMING(M/FS)・RELEASE・MIX・SAT・LEVEL

電源:DC9-12Vセンターマイナス

消費電流:29mA

重量:227g

サイズ:W61mm x D120mm x H51mm

トゥルーバイパス

アナログエフェクター

9V電池内蔵可能

となっています。


公式サイト

BECOSFX – Hand built effects pedals and electronics for guitar & bass.


使用してみた感想としましては、まさにスタジオクオリティのコンプと言うに相応しいペダルコンプとなっています。

当然のようにノイズも少なく、クリーンかつクリアなのが特徴的で、それでいて掛かっているか分からないくらいのナチュラルなコンプからガッツリと掛かったパコッとしたものまで対応しています。

このペダルを掛けても音が前にしっかり出てきて、なおかつ高域などの遅れ、もたつきを感じさせません。

これほどまでの機能が詰まっていますが、各コントロールの効きも良く、音作りの幅はとても広いです。

 

また、SATノブでサチュレーション効果を付与されることもでき、音をふくよかにも出来るなど様々な機能が付いており、積極的な音作りを可能にしたコンプと言えるでしょう。

 

LEDが一定の段階ごとに光りだすため、どれくらい掛かっているのかがひと目で分かるのもいいですね。

 

一見コントロールが多くて音作りに迷ってしまいそうですが、思っているよりも直感的に操作することができるので余り気にしなくても良さそうです。

 

SCFスイッチはサイドチェインフィルターの設定をすることができるもので、

Nは1kHz以下の周波数帯を抑え、

Lは-12dB@90Hz、

Dは-12dB@200Hzとなります。

 

TIMINGスイッチはアタックとリリースを勝手に調整してくれるもので、

Sはアタックタイムが10-15ms、リリースタイムが100-220msとなり、

Fはアタックタイムが5-7ms、リリースタイムが70msとなります。

Mを選ぶとATTACK / RELEASEコントロールで自分で調整することができます。

 

KNEEスイッチはコンプの掛かり方を調整するもので、

HARDは強くコンプがかかり、

SOFTはHARDよりも軽く緩やかにコンプがかかります。

 

EQ PIVOTスイッチでHigh(1kHz)とLow(330Hz)から周波数を選ぶことができ、TILT-EQでそれを±6dBブースト/カットできます。

ちなみにですがTILT-EQにはセンタークリックがあります。

裏蓋を開ける必要はありますが、内部のEQ/BYPジャンパを切り替えることでこのEQをバイパスすることが出来ます。

また、他のジャンパを切り替えるとドライシグナルにローカット、ハイカットフィルターが掛けられます。

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DRY/WET MIXとSATが付いているおかげで、ベースに都合のいい音作りが可能になっているのもありがたいです。

ギターだけではなく、ベースでも問題なく使用できます。

ここまで来るともはやベース用でもいい気がしますが…

 

このコンパクトなサイズでこれほどまでのコントロールが備わっているのは珍しいのではないでしょうか。

しかもそれぞれのクオリティが高く、ただ付けただけではないことが分かります。

 

ここまでベタ褒めですがデメリットがひとつだけあります。

それは、とにかく操作性が良くないということです。

各コントロールが小さくて密集しており、セッティング時に若干のストレスがあります。

特にスイッチが動かしづらいです…

とは言っても、一度音作りをしてしまえばそこまでセッティングを変えることはなかなかないので、ペダルコンプでこのサイズと機能を求めるならベストな設計なのかもしれません。

 

このコンプレッサーのシリーズはBECOS CompIQ MINI Pro Compressor、BECOS CompIQ STELLA Pro Compressor、BECOS BECOS CompIQ TWAIN Dual Bandがあり、MINI<STELLA<TWAINの順で性能と価格が上がっていきます。

今回取り上げたモデルでも十分ハイクオリティなため、ボードに入れるからこのサイズが丁度良いかもしれません。

ボードのサイズと予算、そしてどれくらいのコンプ性能を求めるかで選ぶモデルは変化しますが、どれを選んでも後悔はしないと思います。

 

今までコンプを使ったことがない初心者がコンプに慣れることにはもちろん、コンプを使い慣れている玄人にもセッティングの幅の広さから、万人におすすめできるペダルです。

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