今回レビューするものはベース用プリアンプ、オーバードライブとなるYUKI 究極 -The Ultimate-です。
主な仕様として
コントロール:Drive1・Drive2・Vol・Treble・Bass・Clarity
電源:DC9-12Vセンターマイナス
消費電流:315mA
サイズ:W187mm x D118mm x H57mm
アナログエフェクター
となっています。
公式サイト
使用してみた感想としましては、とにかく音が太く、それでいて歪ませてもアタックが潰れることなく音が抜けてくるペダルです。
歪みを最大限まで上げても音が潰れず、歪むことによって細くなることもありません。
高域が潰れすぎない絶妙なコンプ感も相まって完成度の高さを感じます。
シンプルなコントロール構成ながら音が決まり、全てのコントロールが12時でも良い音がします。
スティング宮本氏と共同で開発し、理想のサウンドを追求したペダルとなっておりアタックの強い高級感があるサウンドが特徴的です。
歪み幅もナチュラルなローゲインから割と激しめまで対応しています。
汚い歪み方はせず、ベーシストが好むサウンドに調整されています。
TrebleとBass、Clarityはトーンとなっており、Bassはボトムを感じられる帯域になっていますが、上げてもローが飽和してモヤつくことがない良いチューニングがされています。
ベーシスト目線のエフェクターということをひしひしと感じられます。
そのEQが各弦にしっかり反映され、4弦だけが太くなるということもありません。
Trebleを上げてもカリカリすることなく、音が抜ける要素だけが加わります。
Clarityはいわゆるプレゼンスですが、歪みの前につけられているため、上げても嫌なシャリシャリ感はなくピッキングノイズといった耳障りな帯域は強調されません。
Drive1は最低値の歪みが若干少なめなモードで、Drive2は最低値の歪みが若干大きめなモードとなっています。
とはいえ、どちらも最大値の歪みは同じです。
Burst(バースト)スイッチは太いミドルを出てくれるため、ソロで使用するのが良さそうです。とにかく太く、抜けてくるようになり、このスイッチを踏めばバンドサウンドで埋もれる事は無くなります。
正確にはブーストスイッチというよりはオンの状態が通常のサウンドであり、オフの状態でミッドがカットされているという認識の方がいいかもしれません。
もちろん普段はオフにするべきです。
そうしないとバンドメンバーに迷惑をかけてしまうかもしれません()
あくまで音質を重視して設計されたということもあり、筐体が非常に大きいです。
スティング宮本氏曰く、この筐体が1番音が太かったそうで、そのおかげか極上のサウンドになっています。
オンオフスイッチにはバッファを搭載した電子式スイッチを、DriveとBurstの切り替えには機械式スイッチを使用するなど細かいこだわりが感じられます。
トゥルーバイパス信仰を捨てて、バッファーを追求した結果がノイズの少なさにあらわれています。
この確かなサウンドと無骨な見た目から仕事道具らしさを感じられ、まさにプロ仕様、「究極」と呼ぶにふさわしいペダルではないでしょうか。