今回レビューするものはベース用コンプレッサーとなるInner Bamboo(インナーバンブー) Bass Instruments Ultimate Comp II (U-II)です。
主な仕様として
コントロール:THRESHOLD・ATTACK・RATIO・LEVEL・RELEASE・SECQ(Side Chain High Pass Filter)
電源:DC9Vセンターマイナス
消費電流:230mA
重量:600g
サイズ:W147mm x D120mm x H65mm
となっています。
公式サイト
使用してみた感想としましては、ペダルコンプとしては最高峰のものだと感じました。
ラックタイプのものと比べても遜色ないレベルでしょうか。
スタジオグレードやスタジオクオリティーといった謳い文句が多いスタンプ型のコンプレッサーですが、その中でもU-Ⅱは本物です。
ハイエンドなエフェクターですが、その価格に見合った性能があります。
原音のニュアンスそのままでナチュラルにコンプがかかり、レンジも極端に狭めることなく確かに音質を良くしてくれます。
ヘッドルームの広さも感じられ、余裕があります。
味付けが割と濃く、ベーシストが気持ちいいと感じるいい音になります。
モダンというよりはヴィンテージなサウンドです。
芯がありつつもリッチな太くまとまったサウンドになり、前に出てくるというか抜けてきます。
音圧が塊になって飛び出てくるという表現でしょうか。
だからといってピーキー、不自然すぎることもありません。
ナチュラル系とはいえ上記のように出音の印象は割と変化します。
パコパコしたコンプがかかっていると分かりやすいサウンドも作れますが薄っすらかけることもでき、それがたまらなく好みです。
音粒を揃えるためにがっつりかけるコンプというよりは音作りのためのコンプとしての用途が気に入っています。
踏む意味が感じられるペダルとなっています。
立ち上がりも光学式のためか素早く、それでいて光学式コンプ(オプトコンプレッサー)にありがちなベースの美味しい帯域が無くなりません。
SECQ(Side Chain High Pass Filter)が優秀で、低域のコンプのかかりすぎを防いでくれます。
これは1〜6段階で切り替えることができ、1がもっともローカットされ低音にコンプがかかりにくくなります。
上げていく毎にコンプが低域にかかるようになっていて、最初は6を基本に音作りしていくのが良さそうです。
複数のヴィンテージワイヤーを使用するなどパーツに拘ることで、エフェクトオフ時でも繋いでいるだけでバッファーのような艶を感じることができます。
このペダルをオンオフ踏み変えることはあまり無いとは思いますが、U-Ⅱはトゥルーバイパスではないためコンプをかけずとも良い音になります。
このおかげか常に艶やコシが付与されています。
また、高域にエンハンス効果のようなものがかかり煌びやかになります。
コンプが好きな方だけではなくコンプが嫌い、不必要だと考えているような方にもおすすめできるペダルです。
Inner Bamboo Bass Instrument Bass Preamp II (B-II)との組み合わせが特に評判が良く、この2つだけでボードが完成してしまう方も少なくありません。
Inner Bambooの別ブランドからU-Ⅱと似た傾向のコンプ、SUMO STOMP SUMO COMPも出ていますのでそちらを検討してみるのもいいかもしれません。
欠点を挙げるとすると、削り出しの真鍮プレートを使用しているためロゴプレートが霞んでしまうことでしょうか。
急激に汚れるということはありませんが、気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかしながらこれを磨き上げる手間暇すらも愛おしくなるペダルになっています。
プレートを磨くための研磨剤が染み付いたクロスが付属しており、こういった細かい気遣いにこだわりを感じずにはいられません。
このペダルは見た目もサウンドもハイエンドなものになっており、万人におすすめできる最高峰のコンプです。