今回レビューするものはギター用ブースターとなるThings(シングス) Beyond Tube Boosterです。
主な仕様として
コントロール:GAIN
電源:DC9-12Vセンターマイナス
消費電流:200mA
重量:240g
サイズ:W60.5mm x D102mm x H77.5mm
トゥルーバイパス
アナログエフェクター
となっています。
公式サイト
使用してみた感想としましては、高域が柔らかくなり抜けてくるようになりつつも真空管らしいコンプ感とサチュレーション感、艶が付与され音が太くなります。恐らく想像しているよりもはっきりと音が太くなります。
パキッとした立ち上がりで感じることのできる輪郭が出つつもモチっとした質感が加わることで物足りなさが解消されこれ無しではいられなくなります。
かけっぱなしで音圧を稼ぐのも、適宜踏んでブースターとして運用するのもどちらもいい感じです。
GAINを絞りきってもクリーンとはならず、ほんの僅かながら歪み感は足されますが、この温かみと重心の下がり具合に変えられるものではないのではないでしょうか。
ギター用ブースターとはいえベースでも効果的に扱えます。
100%アナログ回路で構成されており、ベースサウンドをグッと引き上げてくれます。
Kemperやデジタルマルチエフェクターの前に置くとよりアナログらしくなりそれらのもう一歩感が改善されます。
これらは真空管を使っているからこその恩恵であり、心地よさなのでしょうか。
Erectro-Harmonix社の真空管、12AU7 EHが使用されており、それが筐体外に出ているため無骨なデザインと相まってかっこいいデザインとなっています。
オンにした時に真空管が光って見えるのもテンションが上がります。
長時間使っても真空管が熱くなりすぎることもなく、常用することができそうです。
使用温度範囲は5〜40℃となっています。
真空管ヒーターが温まるまで出力が安定しないことがあるそうで、大体室温で30秒程度かかるそうです。
バッファー的な使い方をしている方が多いですがBeyond Tube Buffer+が発売された通り、あくまでBeyond Tube Boosterはブースターとして扱うことを想定されているみたいです。
とはいえかけっぱなしで使用して音を押し出していくのが個人的にはおすすめです。
音圧や粘り気を純粋にブーストするためには真空管を使う必要があるというのが開発のきっかけだそうです。
真空管を使わなくても真空管の音を再現できる時代にあえてデメリットの多い真空管を使用することで何よりもアナログで音質の追求を目指していることが分かります。
何よりも真空管を使っているというロマンが自身のプレイスキルを更に向上させてくれそうです。
内部にTONE(トーン)があり、反時計回りに回すと高中音域が減衰します。
音量コントロール(ボリューム)も付いています。
フットスイッチを踏んでみても真空管を割ってしまう恐れはあまりないような気がします。
比較対象はやはり真空管バッファーとして有名なLee Custom Amplifier 12AU7Buffer/Boosterでしょうか。
これも真空管を搭載しており、系統は似ているのではないでしょうか。
Beyond Tube Boosterは太さや音圧の高さで押し切る感じですが、12AU7BBは高域が出てくるため、より繊細なイメージとなっています。
こちらのサイズは39mm×93mm×31mmとなっており、電源はDC9〜10Vで消費電流は300mA~となっています。
12AU7(ECC82)という真空管が使用されていて、筐体真空管が入るギリギリまでコンパクトにし、その筐体内に真空管が入っています。
そのため、コンパクトさではLee Custom Amplifier 12AU7Buffer/Boosterに軍配が上がりますが、放熱性能に関しては筐体外に真空管を晒しているThings Beyond Tube Boosterの方が信頼できそうです。
また、バッファーの機能を最大限求めるなら同社のThings Beyond Tube Buffer+を検討してみるのも良さそうです。
自己責任とはいえ、このペダルは真空管を変えることがしやすいため自分のお気に入りを探してみるのも良いかもしれません。
アナログらしさのある音が欲しい方はこの真空管ブースターを是非お試しください。
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