今回レビューするものはギター用オーバードライブ、プリアンプとなる1995fx Sandy DriveⅡです。
主な仕様として
コントロール:Volume・Dirt・Low・Filter
電源:DC9Vセンターマイナス
重量:226g
サイズ:W70mm x D110mm x H50mm
アナログエフェクター
となっています。
使用してみた感想としましては、歪みの独特なコンプ感と分離感が特徴的です。
1音1音立ってくる歪みがロー、ローミッドに絡みついてくるのがいい感じです。
どのジャンルでも使える万能な歪みとは言えませんが好きな人はとことんハマるエフェクターではないでしょうか。
内部昇圧がされていることも影響してか芯のある音でコシというか弾力を感じるものになっていて、それとコンプ感のまとまりが相まって押し出し感がありつつも暴れすぎないものとなっています。
太くなりながら音が丸くなり、それでいて篭りすぎず抜けてくるという感じです。
歪みは若干の荒さがあるダークなもののせいかあたたかさは感じませんが柔らかさがあり、このペダルのトーン自体にはチューブライクなあたたかさを感じます。
また、ペダルをオンにするとフレットノイズを感じる辺りの高域が削られ、その分中域から低域が持ち上がったような気がします。
Dirtを左に回しきった状態でも音が出力されるためプリアンプとしても有効です。
それらのためかローゲインで使う場合にはベースが弾きやすくなるような感覚すら覚えます。
バンドアンサンブルの馴染みも良く、それでいて存在感もあるルート弾きの楽しさを思い出させてくれるようなサウンドです。
MXR DISTORTION IIを参考に現代的にアレンジしたものとなっています。
ヴィンテージサウンドの中にちょうどいいモダンさもあります。
同社のSandy Driveの後継機となっており、Lowコントロールが増えました。
後継機とはいえサウンドもチューニングし直されているためこの2つを弾き比べてみるのもいいかもしれません。
オーバードライブとしてはもちろん、プリアンプとしてもハマってくれます。
Dirtを上げていけばディストーションやファズらしさも出てくるとはいえ、ハイゲインを意識したものではなくあくまでオーバードライブの範疇ではないでしょうか。
そのため飛び道具として使うことも出来なくはないですが、かけっぱなしで僅かに歪ませて使いたくなるペダルとなっています。
ローが出てくれるためベースでも問題なく使用することができます。
むしろベース向きのペダルといっても良さそうです。
Lowというコントロールがありますがこれは低域というよりもどちらかというとローミッドに近いものがあります。
この帯域が非常に良く、ベースの気持ちいいところを上手く突いています。
Dirtはゲイン量を調節することができます。
その名前の通り、ザラっとしたダークな歪みとなっています。
Filterは反時計回りに回していくことでハイカットされていく仕様になっています。
2時辺り、それ以降まで上げることで高域が上手い具合に残ってくれます。
コントロールは上段左からVolume・Dirt、
下段左からLow・Filterとなっています。
また、筐体もハンドメイドで塗装されておりオンリーワンを感じるところがサウンド面だけではなく外見も更に所有欲が満たされるものとなっています。
ちなみにですが1995fxは札幌を拠点とする国産ブランドとなっており、ぜひ応援していきたいところです。
現在ベース用歪みエフェクターも開発中とのことなのでそちらも待ち遠しいです。