今回レビューするものはギター用ファズとなるBOSS TB-2Wです。
主な仕様として
コントロール:LEVEL・ATTACK・BATTERY
電源:DC9Vセンターマイナス
消費電流:60mA
重量:430g
サイズ:W73mm x D129mm x H59mm
トゥルー/バッファードバイパス
アナログエフェクター
9V電池内蔵可能
となっています。
公式サイト
使用してみた感想としましては、オリジナルのTone Bender MkIIを完全に再現したペダルではありませんが、その音やニュアンスはかなり近いものがありました。
このペダルは「BOSSとSola Soundがタッグを組み、伝説的なファズ“Tone Bender MkII”を再構築」ということで話題になった一台です。
オリジナルのTone Benderの生みの親であるSola Soundとコラボしてトーンベンダーを製作しているので多くの期待の声が寄せられました。
オリジナルらしさを引き継ぎながらも、そのトーンベンダーサウンドに若干の現代風のチューニングが施されています。
ただのコピー、クローンモデルではなくBOSSの手が加わっています。
そうは言ってもBOSSらしさは大分抑えられていて、上手くまとまっていると言うか使いやすくなった感じです。
この整っている感じがBOSSらしいと言えばそれまでですが…()
ダイナミックなサウンドで、豊かな倍音と滑らかなサスティンがあり、粘りがありながら抜けてくる暖かさのある音色です。
歪みの荒々しさも所々で垣間見え、毛羽立ちすぎはしていないのも良いですね。
追従性やコンプ感、良い塩梅のゲートの掛かりなども流石の作りです。
そしてどんな環境でも安定して音が出せる設計やノイズの少なさなどBOSSから出すのに相応しいペダルになっています。
ノイズありきで音作りをしている方もいらっしゃるかもしれませんが、ノイズが少ないのも高評価です。
ひとつだけ悪い点を挙げるなら、個人的には音量がもう少し上げられても良かったかなという印象です。
かなり使える音ではありますが、ヴィンテージファズペダル中毒でそれらを探し求めているような方にはもしかしたら特段刺さるものではないかもしれません。
ですが、このBOSSコンサイズで使いやすく忠実なトーンベンダーのサウンドが手に入ることに意味があると考えています。
それに堅牢なBOSS筐体ということもあり、頑丈でライブ等でもガシガシ使えるのもいいですね。
ギターだけではなく、ベースでも倍音が豊かなことで音が太く、高域が耳に刺さりすぎることもなくまとまっているため使えるペダルだと判断しました。
箱も普通のBOSSコンよりも大きめなもので本気度の高さを感じます。
BATTERYスイッチは電池の電圧によって変化する音色の違いを再現しており、電圧だけではなく電池の電圧降下も再現されています。
電池で駆動している時だけではなく、ACアダプター使用時でも効果があるスイッチです。
(このファズに関しては電池で駆動した方が音は良いと思いますが…)
9Vモードでは、新品の電池で駆動させた普通のTone Benderサウンドが手に入り、
7Vモードでは、いわゆる少し使い込んだ電池感が出てきて歪みのキャラクターやレスポンスが変わることでヴィンテージライクなニュアンスになり、
12Vモードでは、オリジナルにはない鋭いアタックとレンジの広さを得られます。
どんな状況の電源でも好きな音を再現できるのはありがたいです。
特にファズに関しては電圧の管理が厳しく、スタジオで作った音とライブでいざ使おうとした時の音が違うということが頻繁にありました。
背面にあるOUTPUT BUF/THRUスイッチでは出力バッファの有効/無効を切り替えることができます。
この設定はエフェクトのオンオフを問わずに有効となります。
ゲルマニウムトランジスタを使用しているため、温度によっては音色が変化してしまいます。
温度が低いとゲインが減少するため、20℃〜30℃の環境で使用することが推奨されていますが、このゲルマニウムトランジスタ以外はほとんどチップで構成されているためどんな環境でも一定のクオリティのサウンドを保つように設計されており、ある程度安定したファズサウンドを楽しむことができるのではないでしょうか。
BOSSの新しい歴史を感じる一台で、3000台の数量限定生産モデルということもあり、希少なペダルとなりそうですがぜひ手に入れておきたいペダルです。
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