あさぎベーススタジオ

もはやベース用エフェクターの備忘録

【レビュー】Pike Amplification Vulcan XL

今回レビューするものはベース用プリアンプとなるPike Amplification Vulcan XL -Bass Overdrive / Preamp-です。

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主な仕様として

コントロール:MIX・VOLUME・GAIN・BASS・LOW MID・HIGH MID・TREBLE・COLOR・FAT

電源:DC9V〜18V センターマイナス 20mA

重量:386g

サイズ:W106mm x D118mm x H52mm

となっています。

 

公式サイト

Pike Amplification | Hookup, Inc.

 

使用してみた感想としましては、プリアンプとして使っても歪みとして使っても良さを感じました。ローエンドが失われることもなく、正に完成されたベース用プリアンプ/歪みペダルといえるのではないでしょうか。

歪みの質感はモダンなものであり、オーバードライブというよりはディストーション寄りです。度々見た目が似ていて、よく比較される現行のB7K FINLAND期よりも歪むように感じ、ギャリギャリした印象を受けました。この歪み方は現行のB7Kよりも好みという方も多いのではないでしょうか。

 

歪み方をB7K USA期と比べてみるとVulcan XLと思いの外似ていました。しかし、音量が大きいせいかセッティングのせいかEQやCOLORのせいなのかはわかりませんがVulcan XLの方が音が明るく、若干腰高で高域が歪んでいるように聞こえました。

結果として聴覚上の歪み加減はB7K FINLAND期が一番弱く、次にB7K USA期、Vulcan XLが一番強いという感じでした。(Vulcan XLにも個体差があったらすみません。)

 

COLORスイッチにより歪みの質感を変えることができ、モダンなものからトラディショナルなものまで対応できます。太く艶を感じるローゲインもできつつDARKGLASSライクなハイゲインもバッチリこなせます。

家で一人で弾くにはVulcan XLの方が気持ちいいかもしれませんがバンドで合わせた時の馴染みやすさはジャンルにもよりますがB7K USA期の方が良く感じました。

悪く言えばVulca XLよりは埋もれてしまうということですが常時かけっぱなしにはB7K USA期を推します。

スッキリしつつもその存在感は抜群です。

B7Kよりナチュラルで、嫌なエフェクターらしさが無くなっていて使いやすくなっています。

EQのミドルがツボをついていてバンド内での音抜けも良く、だからといって馴染ませることができないわけではありません。

攻撃的なサウンドが話題になりやすく特徴的ではありますがその音作りの幅が広く、ダークな冷たい音作りだけではなくセッティング次第では暖かさのあるファットなサウンドも出すことができ、歪みサウンドなら本機一台で様々なものに対応することができます。

 

こうして比較してみると思っていたよりかはサウンドのキャラクターが異なっていることに驚かされました。

しかしながらセッティングによってはかなり近いサウンドまで作り込むことができましたので手に入りにくいB7K USA期にこだわる必要はないかもしれません。

Vulcan XLはFINLAND期のB7Kよりも音が太く、コンプ感も少なく歪みも荒々しさを感じます。

これがUSA期のB7Kに似ていると言われる所以ではないでしょうか。

www.asagi-bass.com

音量が大きく、クリーン向きの音作りがやや難しいためマスターボリュームが欲しくなってきてしまいます。

ちなみにですがSoulPowerInstrumentsではそういうモディファイをしているそうです。

はやく2スイッチ仕様のVulcan ULTRAを出してください…(出ません)

www.asagi-bass.com

 

COLORは上に倒すと中高域が強調されつつもドンシャリ気味のハイゲインサウンドになりDarkglass Electronics Microtubes B7Kのようなやや腰高な印象になります。下に倒すとミッドにフォーカスしたサウンドが得られます。

 

FATは上に倒すと全ての周波数がアクティブになり、下に倒すとローが削れます。

 

EQの周波数は

BASSは80Hz
LOW MIDは500Hz

HIGH MIDは1kHz

TREBLEは5kHz

となっています。

 

EQから見ても攻めすぎたB7Kより扱いやすくなっています。

 

また、18V駆動することで更にクリアになっていきます。個人的には9Vの方が好みでした。

 

Pike Amplificationは過去にDarkglass ElectronicsのOEM生産をしていたため、そこに改良を加えたという謳い文句があるのが本機ですがDarkglass Electronics Microtubes B7Kと外見もサウンド傾向も似ているためどちらを選ぶか迷いどころです。

B7K USA期に音やニュアンスが近いものが欲しい方や他人と被りたくないという方はこちらを選ぶといいかもしれません。

筐体や塗装がかっこいいエフェクターは良い音が出る傾向にあるので見た目が好きな方を選ぶのもありだと思います!!!!!!!

 

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