今回レビューするものはギター用オーバードライブとなるHTJ-WORKS VENTURAです。
主な仕様として
コントロール:GAIN・TONE・VOL・BASSブースト・HIBOOST歪調整・クリップ切替
電源:DC9-18Vセンターマイナス
サイズ:W62mm x D118mm x H39mm
トゥルーバイパス
アナログエフェクター
9V電池内蔵可能
となっています。
公式サイト
使用してみた感想としましては、TS系のミッドの張り出しとクリアさがあり、コンプ感やサチュレーションが感じられることで艶っぽく太さがあるペダルです。
TSV808をベースに作られたということもあってかかなり似たニュアンスを受けました。
通常のチューブスクリーマーとは異なり、ただ中域が持ち上げられるだけではなく、高域が煌びやかになることでバンドアンサンブルでも埋もれにくくなっています。
より上品に、とは言ってもTS系の良さを損なわずさらに扱いやすくなったと表すべきでしょうか。
レンジが広がったTS系であり、名機をさらにブラッシュアップさせたのがこのペダルの大きな功績だと思います。
TSV808同様、無理してベースで使用するペダルではなさそうですが、セッティング次第では活躍する場面もありそうです。
素直にギターで使うのが一番いい音しますが…
元ネタのIbanez×Vemuram TSV808は名機ですが、限定生産や中古価格の高騰などの要因でこのペダルに限らず複数のクローン、もしくは音が似ているペダルが世に何個か出ています。
その中でも、高い再現度や音の良さをもっているのはAltero Custom Guitars KAEDE -楓- 、
そして今回紹介するHTJ-WORKS VENTURAの2つではないでしょうか。
TSV808が買えないのならば、上記の2つから選んでみるのが良さそうです。
VENTURAとオリジナルのTSV808を弾き比べましたが、音は完全再現とは言えないもののかなり肉薄しています。
その違いはTSV808の方がブラス筐体の効果か鋭い印象で、VENTURAの方がウォーム感を感じられました。
TSV808の方がJanRayの要素を濃く残しているのでしょう。
TSV808のレビュー記事置いておきますのでご参考までに。
見た目の良さや所有欲の満たされ方は正直なところ本家の方が上だと思います。
ですが、高騰してしまいもう手に入らないものを思い続けるよりはこのペダルで自分だけの音を作り上げた方がいいのではないでしょうか。
結局のところ、エフェクターを手に入れる主なる理由はそのエフェクターがもたらす音が欲しいだけですから。
そして、TSV808にはない特徴として、数種の回路モディファイをユーザーができるということが挙げられます。
つまり、音作りの幅が広く音色の豊富さという意味では本家を上回っています。
ライブ中に臨機応変に操作するといったことが難しいですが、家やスタジオで作り込める点はとても魅力的です。
これらは裏蓋をあけると下記画像のようなスイッチが備わっております。
青いトリマーはエッジが立ってくれるプレゼンスを弄るようなもので想像がつきやすいと思いますが、本題はその右にある2つの小さいスイッチです。
クリッピング方式を変更するスイッチで、2本のダイオードによる対称/非対称/4本のダイオードによる対称/非対称(逆方向)の四種類のサウンドメイクが可能とのこと。
スイッチをふたつ右に(両方オフ)すると4本の対称ダイオードクリップ
スイッチをふたつ左に(両方オン)すると2本の対称ダイオードクリップ
スイッチを片方右、片方を左にするとSD-1等に代表される非対称クリッピング
となっています。
それぞれ上からJan Ray系サウンド、TS808系サウンド、SD-1系サウンドとなります。
Jan Rayモードは、張りが出つつ反応が最も良いため、よりTSV808に近づいている気がします。
TSモードは、色気とスムースさが特徴的なサウンドになります。ミッドがよく出てきますね。
SD-1モードは、コシがありつつざらついた歪みといった印象。
本家はこの記事を書いている段階でおよそ20万円ほどでした。
この価格を出すならハイエンドなマルチエフェクターを個人的には買います…
純粋にいい音が欲しい方はこのペダルをぜひお試しください。
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