あさぎベーススタジオ

もはやベース用エフェクターの備忘録

【レビュー】Ovaltone ULTRA BOOST TYPE-S “Saturation” / UB-S5

今回レビューするものはサチュレーター、ブースターとなるOvaltone(オーバルトーン) ULTRA BOOST TYPE-S “Saturation” / UB-S5です。

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主な仕様として

コントロール:VOLUME・EDGE・FATNESS・SMOOTH/HARD・HIGH-CUT/NORMAL

電源:DC9Vセンターマイナス

消費電流:3.7mA

重量:280g

サイズ:W70mm x D121mm x H56mm

トゥルーバイパス

アナログエフェクター

9V電池内蔵可能

となっています。

 

公式サイト

Ovaltone -handmade effect pedals- –

 

使用してみた感想としましては、製品名に付いているサチュレーションという文字から分かる通り、真空管アンプらしさが付与され、そこに粘りを感じることができました。

 

歪ませたくないが歪ませた時のような効果が欲しいという時に役立つペダルです。

このペダルは歪むか歪まないかの微妙なラインを攻めることで艶と言うよりはむっちり感が強く出て太くなります。

 

ミドルがよく出てくるので抜けてこないアンプ対策にもなります。そのためアンプを選べないベーシストにはぴったりのペダルではないでしょうか。

 

メインの歪みやプリアンプなどに倍音や飽和感をプラスしていくことを目的としたブースターとなっています。

そのため効果がわかりやすくはっきりと出るためクリーンブースターのような使い方は厳しいかもしれません。

ローゲインオーバードライブとしてもなかなかいい感じに使えます。

 

音のまとまりがよく、そのため音が塊となって押し出され音圧感を生み出している感覚になります。

まとまりの中にも甘さや毛羽立ちがあり、特徴的なペダルとなっています。

 

FATNESS、EDGEともに回していくごとに歪みやコンプ感、飽和感が大きくなっていきます。

FATNESSはフルレンジ帯域のブースト量を調節することができ、太さはもちろんUB-S5の特徴的な粘り感が得られます。

EDGEは高域のブースト量を調節できます。

 

左トグルスイッチのSMOOTH/HARDは、SMOOTHではまるでコンプをかけた時のようなアタックの丸みを得られ、より飽和したアンプらしさを感じられます。

HARDでは本機のゴツゴツした質感をそのまま得られます。

 

右トグルスイッチのHIGH-CUT/NORMALは、HIGH-CUTを選択すると高域をカットすることができます。EDGEを下げていくのとはまた違う効果で、ベースの場合だと音が暖かくなります。

 

ベース用サチュレーターとして高い完成度を誇ると個人的に感じているMARK KENDRICK DESIGN Furnace Bass Driveと比較してみます。

www.asagi-bass.com

どちらもサチュレーターではありますがUB-S5は「少し粒の大きいサウンドになりますが、オーバードライブとしても使用可能です」と言われている通り、FurnaceよりUB-S5の方がやや歪んでいるように感じました。

Furnaceはベース用ということもあり、比較するとUB-S5はほんの僅かに低域が軽くなり重心が腰高になりますが気になるようなレベルではありません。

Furnaceはコントロールを極限まで削り、音が破綻することがないように作られています。

それと比べてUB-S5はサチュレーション効果を得るペダルとしては最大限のコントロールを付け音作りの幅を広げています。

 

UB-S5はよくいえば味付けが濃く、悪くいえばわざとらしさがありました。

Furnaceはどちらかというと薄くかかる感じでした。

もちろん表現の幅はUB-S5の方が広いですが、どちらが好みかと聞かれると判断が難しいです。

とはいえサチュレーターが欲しいと言う方にはお勧めできる一台です。