あさぎベーススタジオ

もはやベース用エフェクターの備忘録

【レビュー】Lee Custom Amplifier TX-1

今回レビューするものはギター用クリーンブースターとなるLee Custom Amplifier TX-1です。

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主な仕様として

コントロール:VOLUME・出力振幅リミットSW

電源:DC9Vセンターマイナス

消費電流:3mA

サイズ:W60mm x 112mm x 53mm

アナログエフェクター

9V電池内蔵可能

となっています。


公式サイト

https://www.leecustomamplifier.com/


使用してみた感想としましては、至ってシンプルなクリーンブースターですがそのクリーンを極限まで追求しているまとまりのある名機だと感じました。

 

世の中にはクリーンブースターと謳いつつも味付けが感じられるペダルがたくさんあります。

そんな中、このペダルはほとんど無味無臭に近く音が変わりません。

正確にはトランスの純粋な音にはなるので、雑味がないという表現が正しいでしょうか。

なんにせよ、トランスの音を活かすため、ノイズを限りなく減らしたり余裕のあるヘッドルームなど設計力の高さを感じる仕上がりになっています。

 

このペダルはオペアンプでも真空管でもないトランス増幅のブースターで、トランス式ということで他のパーツよりも音の立ち上がりの速さが特徴的でした。

すっきりクリア、スピーディで締まった音という原音を活かす綺麗なペダルですね。

もちろん倍音が付与され、コンプ感や艶やかさも感じられる、アンプやベース本体の良さを最大限引き出してくれます。

 

アルミ削り出しシャーシにクリアアルマイト処理をした筐体がなんともかっこいいですが、こういったところからもローノイズにする意気込みを感じます。

 

 

筐体表面左側にある出力振幅リミットSWは

up=30Vpp(ラック機器等)

center=リミット無し(真空管アンプ等に対する直接のブースト等)

down=9Vpp(9Vエフェクター等)

となっているため、エフェクターボードに組み込む際はスイッチを下側で使用しておくのが良さそうです。

 

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LCAには他にも素晴らしいブースターが発売されています。

過去にレビューしたLee Custom Amplifier 12AU7BBは真空管を使用したブースターで、同じブースターという括りでも全然音が異なっています。

もちろん音の傾向としては似ているのですが片や真空管、片やトランスということでそれぞれの素材の違いが感じられるのではないでしょうか。

今回のペダルは真空管の方と比べると、全体的にややロー寄りになっている印象です。

真空管はハイが伸びてくるイメージで、トランスはそのまま素直に出てくる感じですかね。

 

さて、肝心のこのエフェクターはベースでも使えるのかというところですが、結論としては問題なく使用できます。

12AU7BBよりも低域に寄っていること、ヘッドルームの広さからベースで使っても違和感は感じませんでした。

ほんの僅かに低域が弱くなる印象を受けましたが、通常使用では気にならないレベルとなっています。

 

 

 

 

今回ブースターを比較して感じたのは、やはりベーシストがトランスを求めるのはごく自然なことだということです。

真空管/トランスの音色が欲しいという強いこだわりがなければ、まずはこちらから試してみるのがいいかもしれません。

個人的にはベースにはTX-1の方が合っている気がしました。

(私はトランスの音色を他の機材で取り入れるので、12AU7BBをボードに組み込んでいますが…)

 

正直な感想として、コスパは良くない製品だとは思います。(パフォーマンスは良いですが、コストが高すぎるという意味です。)

このペダルを踏んでも歪みペダルのようなわかりやすさはありませんし、ここまでノイズレスな機材を最大限生かせる環境を持ったアーティストはそこまで多くないのではないでしょうか。

限られた予算の中では後回しになるペダルかなと考えますが、クリーンブースターの正解に遠回りせずに辿り着きたいという方はぜひお試しください。

そういった意味では玄人向けなペダルと言えるでしょう。

 

 

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