今回レビューするものはベース用プリアンプ、バッファーとなるJIRAUD Slapper IIです。
主な仕様として
コントロール:Bass・Treble・Accelerator・Mode SW(NORMAL/SLAP)・Super Middle・Master Volume
アナログエフェクター
9V電池内蔵可能
となっています。
使用してみた感想としましては、スラッパーという名前の通り、スラップをしたくなるかっこいいドンシャリサウンドが簡単に手に入る名機だと感じました。
ドンシャリサウンドといっても、極端にEQでハイとローを持ち上げたわけではなく、あくまで自然で非常に音楽的なトーンになっています。
味付けは濃くなく、だからといって無味無臭というわけでもないのですが…基本的にはナチュラルなままでジラウドらしいレンジの広さや音の太さ、音が前に出てくる印象を受けました。
これは、ディスクリートならではの高速バッファアンプであるアクセラレータを内蔵したプリアンプであることに由来していると考えられ、パッシブ楽器のサウンドを生き返らせつつ、プリアンプとしてベースの美味しいところを持ち上げる絶妙なチューニングの結果が合わさった設計者の技術の賜物ではないでしょうか。
プリアンプ機能はいらないからこのバッファー部分だけ欲しいという方は、同社から出ているSpeed Masterを試してみるのが良さそうです。
スラッパーという名称ではありますが、セッティング次第ではスラップサウンドのみならず、ヴィンテージサウンドも作り出すことが可能です。
Bassをセンターから振り切りあたりにして、Trebleを0にするとハイカットされつつミドルが押し出されることでヴィンテージライクな音作りができますし、
スラップSWをオンにして、Bass振り切り及びTrebleセンターあたりにすればローの倍音が効いたワイドレンジなドンシャリサウンドが手に入ります。
Bassコントロールは低域と中域のバランサーのようなイメージで、
Trebleコントロールは高域と中域のバランサーといった印象で
それぞれミドルも可変されるため直感的に動かせるので個人的には音作りしやすかったです。
裏蓋を開けるとコントロールがあり、左側がSuper Middle、右側がMaster Volumeとなっています。
Super Middleは通常11時くらいに合わせて使用するのが推奨されています。
そこまで頻繁にいじるつまみでも無いので、裏蓋に設置されていることでストレスになることはありませんでした。
どんなセッティングにしても音が破綻しないので扱いやすく重宝するペダルだと思います。
私がボードに組み込んだとしたら、パッシブJBを使っているので常にAcceleratorをオンにして、スラップの場面でエフェクトをオンにすることでバキバキっとした音でスラップをブーストするような使い方になると想像しました。
サウンドをバキバキ言わせたい方、またはそうでは無い方どちらにもおすすめできるエフェクターとなっています。
このペダルも例に漏れず希少なものとなってしまいましたが、見かけた際はぜひお試しください。