今回レビューするものはギター用バッファー、ブースターとなるLee Custom Amplifier 12AU7 真空管Buffer/Boosterです。
主な仕様として
コントロール:VOLUME
電源:DC9-10Vセンターマイナス 350mA〜
サイズ:W31mm x D93mm x H39mm
アナログエフェクター
となっています。
公式サイト
使用してみた感想としましては、チューブアンプのように艶やコンプ感が加わり弾きやすさが向上します。
他にも真空管らしい自然な押し出し感や音圧感、音の抜けや立体感、高音の丸さが付与されつつハイが伸びてきます。
マルチエフェクターやKEMPERといった機器にも効果があり、そういったデジタル製品のあともう一歩感の改善に役立ちます。
真空管という特性上、ある程度の音の丸まりを感じてしまいますがそういった音が欲しいということでこのペダルを手にしているので大したデメリットにはなりません。
音に芯が出つつもあたたかさが加わり、これぞアナログみたいな印象を受けました。
バッファーの中には音を変えないというものを謳っているものが多くありますが、このペダルは確実に通す意味がある真空管バッファとなっています。
真空管の良さというものを存分に感じられるペダルになっていて、この質感が気にいるギタリスト、ベーシストは多いはずです。
今更ですがギターにはもちろん、ハイファイなペダルなためベースでも効果的となっています。
なんといっても12AU7BBの最大の特徴はこの小型の筐体に真空管が入っている最小サイズのバッファー、ブースターであることではないでしょうか。
筐体内部に真空管がおさめられています。
そのためか、真空管が発熱し筐体自体がある程度熱くなってしまいますが使用に関してそこまで神経質になるレベルでは無いと思います。
VOLUMEを左に回しきった状態でバッファーとなり、上げていくとクリックがありそこからブースター(逆相)+バッファとなります。
ブースターモードでは音量がゼロから始まり、上がっていきます。最大ゲインは20dBとなっています。
比較対象はThings Beyond Tube Buffer+やThings Beyond Tube Boosterが挙げられます。
どちらも真空管を使用したバッファー、ブースターで価格もほぼ同価格帯となっています。
サウンドに関してはいわゆる真空管らしさは12AU7BBの方が出ており、個人的には好みでした。
高域までしっかり出ていて、輪郭を感じられます。
対してThingsは太さや音圧の高さが特徴的です。
どちらもよくこだわって作られているのが分かります。
そのため、Thingsのペダルは12AU7BBに似た傾向のサウンドを手に入れることができますが全く同じ音というわけではありませんのでご注意ください。
ノイズに関しては私の環境では12AU7BBの方が少なかったような気がします。どちらもローノイズの部類だとは思いますが…
強いて違いを挙げるなら放熱性能でしょうか。
やはり、Thingsのペダルの方が真空管が筐体外部に剥き出しになっているため長時間の使用にも適しています。
サウンドを除けば、筐体サイズを取るか安心感を取るかのどちらかで決まるのが良さそうです。
それと私が購入したロットからノブの仕様が変わり、今までは銀色でしたが今回からは青色となっています。
このサイズでバッファーとブースターを組み合わせて、しかも真空管を筐体内部におさめてしまったこのペダルは製作者のこだわりを感じずにはいられません。
現在はすぐに売り切れてしまうペダルですが、見かけた際は是非お試しください。